いやいや、元祖の女優たちも凄い人達ばかりです

リメイク版の方を視聴した人にとってはその時代の役者に対して知っているからこそ見たという人もいると思います。私もこの作品で好きな役者さんが出ていなかったら見ていなかったと思います。だからこそ思い入れもあることにはあります。平成の時代からすればそれだけ評価されるべき名役者たちが集結している2009年版ゼロの焦点ですが元祖ゼロの焦点においても出演している役者さんたちは有名な人ばかりです。しかも現在においても同芸能界においては大先輩に位置している方々ばかりとなっています。

そんな凄い人達が出演している1961年版の方に関してあげても、やはりゼロの焦点で肝心になってくるのは主軸なる女優三名でしょう。1961年時に演じられている女優さんたちを見ると、物凄い経歴を持っている人なんです。そんな1961年版ゼロの焦点にて禎子・佐知子・久子を演じた女優さんについて、今回はピックアップして紹介して行きたいと思います。

家は華族の家系

主演である鵜原禎子を演じたのは『久我美子』さんですが、この方は現在でも存命であるので多くの女優達の中ではやはり超がついてもおかしくない大先輩となっています。そんな久我さんですが、この方は東宝ニューフェイス第一期生として女優としての道を歩むことになりますが、元々久我さんはそんなことをしなくてもいいような身分の方なのです。

働かなくてもいいような身分な久我さんですが、実はこの方はかの村上天皇の血族に当たる家族の家柄となっており公家の内『清華家』の家格が与えられた超お嬢様なのです。役柄もお嬢様ですが、元都からお嬢様だったわけです、しかもそこらへんにある令嬢とは比べ物にならないほどの身分を持っている方がどうして女優といった道を歩むことになったのでしょうか。

その理由としては戦後における華族制度の廃止といった時代の流れに加えて、家が詐欺師などに騙されて傾いてしまったために立て直したいと思って行動に移したそうです。勿論ですが、この時代の華族として生きてきた人達は家名にプライドを持っていたので、体裁を汚す気かとそんなことを言っている場合ではないほど困窮していたにも関わらず、世間体を意識した振る舞いをしていたのです。しかしそれでも久我さんは折れることなく、家名を名乗らないで活動する・住所を親類縁者に移すことを条件に活動をすることになります。とてもお姫様のように生きてきた人の行動とは思えませんね。

そしてそんな行動力に伴うだけの美貌と演技力を持って、一躍久我さんが名女優として華々しく注目されていくまでに時間がかかる事はありませんでした。籠の中の鳥と表現しても何ら遜色の無い玖珂さんの生い立ちとは思えないくらい活躍を見せます、それだけ世間と自分というものを客観的に見ていたということ、そして自分磨きをひたすら行わなかったことなど、その背景でどんな涙ぐましい努力をしてきたのかは知るところでは在りませんが、人間的にも成長した久我さんが名女優としてゼロの焦点でもその存在感を象徴的に表現するまでに時間がかかる事はありませんでした。

やはり元宝塚スターは凄い!

中谷さんが狂演した佐知子を演じたのは『高千穂ひづる』さんですが、この方は家の事情によって活動全盛期において完全に芸能界から引退するという勇ましく、そして可憐に去るという晴れ舞台を見せることになります。その後は実家の社業に従事する毎日を送ることになりましたが、近年ではトークショーに出演することになるなどの活動を見せています。

高千穂さんは宝塚音楽学院に入学することになって、一躍娘役スタートして活躍することになります。やっぱり出てきた宝塚、というところですね。退団後もそんな娘役で築き上げてきたお嬢様キャラを演じることになりますが、それがゼロの焦点では娼婦から徐々に世間的にのし上がっていこうとする野心を持つ佐知子を演じています。それまでに演じてきた高千穂さんは宝塚時代から演じていた役はもはや定番となっていましたが、その後としてこのゼロの焦点を含め見たことのない女優スタイルを見たときには震え上がった人もいるのではないでしょうか。宝塚でスタートして活躍するにはそれに見合うだけの実力も必要となってくるので、やはり高千穂ひづるという女優にしてもその魅力は底知れないところとなっているのは確実となっています。

何処まで凄い、宝塚!!

そして薄幸女性である田沼久子を演じたのは『有馬稲子』という女優さんで、この方も宝塚出身の女優さんとなっています。リメイク版で演じていた木村多恵さんは元々幸が薄い感じの役を演じることが多いので、非常に味のある役柄となっています。女優というのは何処と無く豪華な役を頻繁に演じていると思わせる役を好んでやりたがると個人的には思っているのですが、木村さんほど少し地味そうな役をアレほどまで見事に演じている姿は素晴らしいですよね。そんな木村さんが好演した久子を宝塚出身の女優さんが演じるというのはどうなるのだろうと少し怖くなったりもしますが、これがまた見事なまでに有馬さんが演じてしまっているのです。宝塚でも主演娘役として活動していた方がどちらかというと、あまり目立つような役ではない登場人物を演じたとしてもその役になりきるということは分けないということなのかもしれませんね。

宝塚出身の女優という看板の重さとそしてその実力の高さはこの時代から既に折り込み済みだということですね。だからこそ退団後に女優として活動している真矢みきさんや天城祐希さんといった美しくて格好良くて、演技も素晴らしい女優さんを輩出していると考えると物凄いことなのかもしれません。