ドラム上達法

ドラムが一気に上達するためにコピバンのすすめ!

ドラム上達のためには色々な練習方法がありますが、その中でも特に有効なのがコピバンです。

え?コピバン?やっぱ、オリジナルっしょ!と思ったあなた。

コピバンを馬鹿にすることなかれ。ここでは、ドラムが上達するコピバンでの練習方法を具体的に教えます。

オリジナルとコピバンの違い

私はドラムを始めて少し経ってからバンドを始めたのですが、基本的にオリジナルばかりやっていました。

オリジナルバンド

オリジナルというのは、そのバンドで作ったオリジナルの曲だけを演奏する、ということですね。まあ、当たり前の話ですが。

売れているバンドはそのほとんどがオリジナルです。カバーバンドで売れているバンドというのは少ないのではないでしょうか。

そのため、売れるためにもオリジナルへの憧れが強く、オリジナルにこだわっている人も多いと思います。以前の私もそうでした。

コピバン

コピバンというのは文字通り、アーティストの曲をコピーするバンドのこと。

では、なぜ私がオリジナルにこだわっていたかと言うと、コピバンは何かダサいと勝手に思っていたからです。

結論から言います。ドラムがうまくなりたいならコピバンは絶対やった方がいいです

「バンドで売れるにはオリジナルの曲で勝負するしかないのだから、コピバンなんてやってられるか!あんなのは趣味でバンドやってる奴らがやるものだ!」

昔は私もそう考えていました。この考えは完全に間違っていたな、と今では思っています。

もしも今現在、昔の私のようにオリジナルの曲だけをバンドでやっている、という人はぜひサイドプロフェクトで良いのでコピバンもやってみて欲しいです。

その方がドラムは数段上手くなるかもしれませんよ。

コピバンをやった方が良い理由

模範演奏がある

コピバンをやった方が良い一番の理由は模範演奏が用意されているから、です。

基本的にバンドの皆がやりたいと思うような曲はメジャーな曲が多く、一定レベル以上の素晴らしい音源に仕上がっていることが多いです。

コピバンをやるとなると他人の曲なので、出来るだけ真似しようとして曲を良く聴き込むことになります。

恐らく始めのうちはドラムばっかり聴いているかもしれません。

しかし、ドラムを聴き込んで実際にバンドで合わせると、ベースやギター、ボーカル等、他のパートの音がしっかり聴こえることに気付くと思います。

これが非常に重要なことなのです。

ちなみに、スーパー初心者だとドラムだけで精一杯でバンドでも周りの音が聴こえないという現象が起こりますが、それは仕方がないです。

他楽器の音への理解がドラムの表現につながる

CDやYOUTUBEなどで曲を聴いている場合、まずドラムの音ばかり聴いてしまうと思います。

私も初心者の頃はそうでした。これはこれで何の問題も無いです。

初心者の頃はドラムの音すら聴き取ることが困難なのだから、まずは必死にドラムを聴いて何をやっているのかを理解することは何も間違いではないからです。

しかし、ある程度ドラムパターンを理解出来るようになったら、他楽器とドラムとの相互関係を気にしながら全体を聴けるようにするべきです。

これが意外と難しく、経験が浅いと出来ていない人が多いように思います。

音源で聴く場合、ステレオで右と左のスピーカーから全部の音が出ているので(イヤフォンでも同じ)、経験が浅いうちは音が混じってしまって他楽器が何をやっているのかがよく分からないのです。

分離した生音が重要

スタジオに入ってバンドでやるとなると、ギターやベースなどがそれぞれのアンプから大きな生音(なまおと)で返ってきますね。

キーボードやボーカルはPAから一緒に音が出るけれど、ギターとベースはアンプ単体からそれぞれ音が出るし、ドラムも音は単体で出てます。

そのため、ステレオに比べればかなり音が分離して聴こえてくるのです。

CDやYOUTUBEで曲を聴くよりもリアルに他楽器の音をしっかり聴くことが出来るということです。

他楽器への理解が深まる

音源を聴いている時には分からなかったけど、他楽器はこういうことをやっていたのか!とバンドでやって始めて気付くということも多いのではないでしょうか?

コピバンならばギター全然違うじゃん!とか、いやいやドラムもおかしくない?とか色々と原曲との違いが浮き彫りになってきます。

これは初心者や初級者など、経験が浅いほど原曲との音の差が顕著になります。
あまりにも原曲と違うので、バンドの練習が終わった後に再度原曲を聴きたくなってくるほどです。

もしくはスタジオ練習中にバンドメンバー全員で音源を確認することも珍しくないかもしれませんね。

すると、その時には今まで聴こえなかった(聴こうとしなかった)ギターやベースなどの他の音が聴こえるようになってきます。

これはバンド練習によって他の音を聴き取る力が向上したから、だと言えるでしょう。

総合的な音楽力がアップする

そして、ああ、ここのギターはこういう音色でイメージ的にもっと柔らかい音なんだな、とか他楽器のことも少しずつ分かるようになってくるのです。

それに合わせるようにドラムも柔らかいイメージで叩いた方が良さそうだな、など今までとは別の観点が持てるようになります。

この積み重ねにより、ドラムだけでなくミュージシャンとしての総合的な耳、表現力が養われていくのです。

ただのドラムが上手いだけのドラマーになってしまうか、ミュージシャンとして優れた表現者になれるかは、この総合的な表現力が大きなカギを握っていると思います。

派手なおかずを入れる訳でもなく、テクニックがずば抜けている訳でも無いのに、なぜか心地よいグルーブのあるドラマーがいますよね。

これは他の音との調和を重視しているから為せる技だと思います。この表現力をつけるためにコピーという行為は非常に重要なのです。

なぜオリジナルだけでは駄目なのか。

模範演奏が無い

オリジナルオンリーでも、確かにバンドで音を合わせればギターやベース、ボーカルなど、他バンドメンバーの音は聴こえるようになり耳は鍛えられていきます。

ただ、この場合、模範演奏となる原曲が無いのです。経験が浅いうちはこれが結構致命的になってしまうかもしれません。

オリジナルには模範となる演奏基準が無いから、そのバンドで出た音が全て!になってしまうのです。自分のドラムがある意味全て正解となります。

模範演奏の基準がないので、修正も難しい。何か違うような気がするけど、どこが違うんだろうか!ということになりがちです。

バンド内に異常に上手い人やプロデューサーのような人がいれば話は別ですが、そうでもなければオリジナルだけで演奏を向上させていくことは非常に難しいと思ったほうが良いです。

真似るためにはコピバンが一番

楽器が上手い人に聞くと、必ず誰か影響を受けたアーティスト、模範とし傾倒しているアーティストというものはいるものです。

どんなに上手い人でも初めのうちは必ず誰かに憧れて真似をして上達している、と言えます。

そして、この真似をより効率的かつ効果的に行うためにはコピバンをやることが一番です。

私はコピバンを軽視してオリジナルバンドに傾倒してしまったことにより、ドラミングの幅がなかなか広がっていきませんでした。

また、ドラム以外の楽器、つまりギターやベース、キーボードといった楽器への理解が遅れてしまったように思います。

そして、これはドラムの表現に直結することであり、結果的には自分のドラムの表現も狭めることになってしまっていたのです。

曲のコピー練習では駄目なのか。

コピバンをしなくても曲のコピーでも良いじゃないか、と思うかもしれません。

実際に私も曲のコピー練習には明け暮れたものです。練習の8割はそれといってもいいくらいです。曲のコピーは良い練習法ではありますがバンド練習には叶いません。

分離した音は聴けない

先程も言ったように、バンド練習というものは非常に特別なもので分離してそれぞれの音を生で聴ける唯一の方法です。

メンバーの目を見て、動きを見て、音を聴いて、それに合わせて演奏が出来る。この経験は非常に大きいです。

CDやMP3の音源になると、音が全てミキシングされていることにより、それぞれの音が聴き取りにくいという難点があります。

試しにCD音源をスタジオで大音量で流してみて下さい。
(ドラムを叩く時と同じくらいの音量で。)

音量が上がれば上がるほど、音が歪んでそれぞれの音が聴こえにくくなることが分かると思います。

バンド活動で耳を養う

経験を積んで慣れてくればCD音源の大音量でもしっかりと色々な音が聴けるようになるのですが、経験が浅いうち程、実際のバンドの音で耳を養った方が良いのです。

バンドの方がはるかに他楽器の音が聴き取りやすいからです。言ってみれば生音とフィルターを通した音くらいの違いがあります。

CDの音源の方が全体的な演奏レベルは間違いなく高いとは思いますが、それよりも分離したバンドでの生音で耳を鍛えた方が効果的だと私は思います。

そして、バンドの方が自分のドラムの音もよく分かるものです。原曲に合わせてドラムをプレイすると、何となく良い感じに叩けていると錯覚しやすいからです。

しかし、いざバンドでやってみると全然ダメじゃん!ということが多々あります。これは自分のドラムだけでなく周りの音も原曲とは違うことも大きいです。

いずれにしても、バンド全体の生音で良い音が出るように練習、調整していくようになるため、バンドでその曲をやり続けることが重要なのです。

セッションやサークル活動でもOK

バンドを組んでコピーをじっくりやるのが最も良いのですが、セッションでも一定の効果はあります。

セッションというのは、その場に初めて集まった人同士でぶっつけ本番で曲を演奏すること、です。

大抵はセッションは、有名な曲でやることが多いです。誰でも知っている曲じゃないと、いきなり合わせるのは難しいので。

有名な曲ならば、当然音源があるので、セッション時の自分の演奏を録音して後で音源と比べればOKです。

そして、自分の演奏と音源の演奏はどこがどう違うのかということを意識するようにしましょう。

ただし、セッションの場合にはその場限りの演奏になってしまうことが多いです。

自分の演奏を聴いて、原曲を聴く。そして、またバンドで同じ曲を演奏して、と曲への理解をより深めるためには固定でコピバンをやるのが理想ではあります。

コピバンのすすめまとめ

上手くなるためにはコピバンをやるのがお勧め。

コピーだと原曲があるので、模範となる演奏を参考に出来る。

曲のコピーだけをするよりもバンドでコピバンをした方が上達する。

それはスタジオでは分離した生音を聴くことでより耳が鍛えられるから。

オリジナルは模範演奏が無いため、オリジナルだけをやっていると一定以上の上達が難しくなる可能性がある。コピバンも平行してやるのが理想。

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